2.キーとなるコンセプト破壊的技術とは何か

 多くの企業は、過去から引き継いだ技術を改良して、現在の技術を創り上げます。そして、現在の技術の延長線上に、未来の技術を創造しようと努めます。こうした技術の継続的改良は、過去の技術を基礎にしている点で、持続的技術による製品の高度化と言い換えられるでしょう。

 その一方で、従来の持続的技術とは全く異なる技術、クリステンセンの言葉を借りるならば、「従来とはまったく異なる価値基準を市場にもたらす技術」が突如現れることがあります。クリステンセンは、このような技術のことを、持続的技術に対して「破壊的技術」と名付けました。

 破壊的技術をイメージする上で、最も分かりやすいのはカメラでしょう。従来、カメラといえば、写真フィルム、より専門的に言うと、ハロゲン化銀写真フィルム(いわゆる銀塩フィルム)を使ったものが定番でした。一方、この銀塩フィルムとは、考え方が全く異なる媒体に、画像を記録するカメラが登場します。フラッシュメモリやスマートメディアにデジタル方式で画像を記録するデジタルカメラがそれです。銀塩フィルム方式に対して、従来とはまったく異なる価値基準を市場にもたらし、いまやカメラ市場を席巻しているデジタル写真方式は、まさに破壊的技術の代表です。

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© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2008