1. 「競争」というキーワードをメジャーにしたポーター

 今回から2回にわたり、マイケル・E・ポーターの提唱した「競争の戦略」について紹介したいと思います。第1回目は、競争の戦略の基礎概念となる「ファイブ・フォース」について解説しましょう。
 現代社会は競争社会、このように呼ばれて久しくなりました。確かに人は、生まれてから死ぬまで、常に競争にさらされています。いまや中学入試はもちろんのこと、小学校入試も過熱気味です。また、少子化により大学全入時代を迎えたとはいえ、一部有名大学の競争率は高止まり状態です。
 さらに、新卒の就職氷河期は若干和らいだものの、“良い会社”に入ろうと思うと、激しい競争を勝ち抜かなければなりません。加えて、入社することが、人生のゴールでもありません。その後は、昇進という、新たな競争が待ち受けています。
 もちろん、競争にさらされているのは、何もヒトばかりではありません。企業自身もそうです。自由市場で生き抜くことは、まさに熾烈な競争を勝ち抜くことに他なりません。
 となると企業は、この競争を有利に進めるための戦略をもたなければなりません。そして、企業の市場における行動を競争ととらえ、その環境を分析し、適切な戦略を構築する術を明らかにしたのが、経営学者マイケル・E・ポーターです。
 ポーターは、米国ミシガン州に海軍キャリアの子供として生まれました。プリンストン大学卒業後、ハーバード大学大学院へ進みます。ここで経営学修士号、経済学博士号をとり、その後、ハーバードの教壇に立ち、1982年にはハーバード大学正教授に迎えられました。現在は、同大学の教授に与えられる最高職位ウィリアム・ローレンス卿ユニバーシティ・プロフェッサーの地位にあります。
 なお、プリンストン大学時代には、ゴルフの選手としてもならし、アメリカチームのメンバーとしても選ばれたという意外な横顔ももちます。


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© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2009