前回はマイケル・E・ポーターが提唱したファイブ・フォースについて解説しました。ファイブ・フォースで業界を分析することで、自社や競合のポジションを的確に把握できます。その上で、最も有利なポジションを獲得する戦略を練ります。したがって、ファイブ・フォースは、競争を有利に進めるための戦略を描くツールとして機能するわけです。
一方、ポーターは、この5つの競争要因に対処するための長期的な基本戦略は、煎じ詰めると結局のところ3つしかないと指摘しました。これが今回のテーマのひとつである「3つの基本戦略」です。以下に示したのが、ポーターが指摘した競争における3つの基本戦略です。
①コストのリーダーシップ戦略(低コストを最大の武器とする戦略)
②差別化戦略(他の企業が持たない特徴を生かし業界内で特異な地位を占める戦略)
③集中戦略(特定の地域やターゲットに企業資源を集中する戦略)
ちなみに、集中戦略では、セグメントを特定した上で、コストのリーダーシップか差別化(またはその両者)で戦略を実行する点に特徴があります。したがって、ポーターが指摘する長期的競争戦略の基本は「コストのリーダーシップ戦略」か「差別化戦略」になります。そして、これらを特定のセグメントで実行すると集中化戦略になるとも考えられるわけです。
これら3つの基本戦略を図解したものが図表1です。以下、各戦略について詳しく説明しましょう。



