1. 世界中で話題になったブルー・オーシャン戦略
近年、最も話題になったビジネス理論を一つ挙げるとすれば、皆さんは何を推されますか。わたしならば「ブルー・オーシャン戦略」をまっ先に挙げるでしょう。
ブルー・オーシャン戦略は、フランスのビジネス・スクールINSEADで経営戦略論を教えるW・チャン・キムとレネ・モボルニュによって提唱されました。2人はいずれも、ダボス会議で著名な「世界経済フォーラム」のフェローにも選ばれている実力者です。
ブルー・オーシャン戦略が公表されたのは2004年秋、「ハーバード・ビジネス・レビュー」の論文としてです。この論文は大きな話題をさらい、抜き刷りのオーダーは50万部を超えたといいます。
この勢いをかって、2005年には単行本『ブルー・オーシャン戦略』が出版され、大ベストセラーを記録します。そして、2006年には日本語版も出版され、世界のみならずわが国でも版を重ねています。近年、これほど話題になる経営戦略論も珍しいのではないかと、わたしは思います。
では、なぜ、ブルー・オーシャン戦略が、これほど大きな話題を巻き起こしたのでしょうか。
実は、この点を知るには、マイケル・E・ポーターやフィリップ・コトラーらが提唱した理論に関する知識が不可欠になります。
そこで今回は、本連載ですでに解説済みのポーターやコトラーの理論と比較しながら、ブルー・オーシャン戦略の概略について解説したいと思います。その上で、ブルー・オーシャン戦略を具体的に展開するための手法について記しましょう。


