1.戦略キャンパスを活用して現状の戦略を整理する
前回は、キムとモボルニュの「ブルー・オーシャン戦略」の基本的な考え方について解説しました。ブルー・オーシャン戦略では、血みどろの競争が繰り広げられている場(レッド・オーシャン)ではなく、未だ生まれていない市場、未知の市場空間(ブルー・オーシャン)の開拓を目指します。そのためには、差別化と低価格化を同時に実現して、バリュー・イノベーションを実現することが重要になると述べました。
では、具体的にどのようにしてバリュー・イノベーションを実現し、未知の市場空間を創造するのかが問題になります。キムとモボルニュは、この問いに対して「戦略キャンパス」と「4つのアクション」の活用を提案しています。今回は、この両ツールを用いたバリュー・イノベーション実現のための手法について、徹底的に解説したいと思います。
まず、前者の戦略キャンパスですが、これはその業界でビジネスを展開する企業が、どのような戦略を有しているのか、その特徴を一覧で表示するものです。これにより、あなたの会社を取り巻く市場空間の特徴が明らかになります。
図1は、戦略キャンパスの一例を示したものです。横軸に業界の各社が力を入れる要因をとり、縦軸には各要因に対する顧客の価値をとります。そして、各要因について顧客がどの程度価値を認めているのか、自社、業界標準、競争相手の3者について測定します。
この作業を実行すると、折れ線グラフのようなチャートが出来上がるでしょう。ブルー・オーシャン戦略では、これを「価値曲線」と呼んでいます。
おそらく価値曲線の形状は、自社、業界標準、競争相手によって、異なるものになるはずです。この価値曲線の違いは、
①業界全体の戦略プロフィール
②競合他社の戦略プロフィール
③自社の戦略プロフィール
こうした三者三様の戦略プロフィールは、いわば戦略の中身の違いを表現しています。これが先に述べた、戦略の特徴を一覧表示するという意味です。この戦略キャンパスをしっかり描くことが、ブルー・オーシャン戦略の第一歩になります。言い換えるならば、自社を取り巻く市場空間の現状を適切に把握することが、戦略キャンパスを作成することだとも言えます。



