アクション・マットリックスを作成することで、新戦略を実現するための実行内容が明らかになりました。そうしたら、再度、戦略キャンパスを描きます。
新たに描き直す戦略キャンパスでは、アクション・マトリックスの「付け加える」に列挙した要素が、横軸の要素に付け加えられることになります。そして、新たに付け加えた要素、および既存の要素の中で「増やす」に指定した要素、これら両者について、顧客の評価が高くなるはずです。仮に評価が高くないとすれば、増やしたり追加した意味がなかったことになります。
その一方で、「取り除く」を実行した要素については、買い手の評価がゼロになったはずです。取り除いた要素は、買い手にとって評価しようがないからです。また、「減らす」を実行した要素も、買い手の評価は大幅に下がるはずです。
以上の結果、新たに出来上がった戦略キャンパスは、業界標準や競合他社と比較すると、全く異なる価値曲線になります。すなわち「特定の要素に集中した極めてメリハリのある価値曲線」になるはずです。
それもそのはずです。というのも、「取り除く」「減らす」により、業界がおしなべて推進している要素の多くを無視しました。その一方で、「付け加える」「増やす」により、特定の要素に対する取り組みを強化するとともに、業界では取り入れられていない新たな要素を大胆に付け加えました。以上の取り組みが、業界標準や競合他社とは異なる、メリハリのある価値曲線を描く源泉になったわけです。
キムとモボルニュは、ブルー・オーシャンを切り拓いた多くの企業が、こうしたメリハリのある価値曲線を描く特徴があると指摘しています。より厳密に言うと、価値曲線の様子が、
①特定の要素に力点が集中している
②独自性がある
③有無を言わさぬメッセージ
という特徴を持ちます(図3)。
中でも、③有無を言わさぬメッセージは、価値曲線の特徴をシンプルかつ力強く表現できる言葉が込められているという意味です。逆に言うと、集中も独自性もなく、有無を言わさぬメッセージも存在しないようでは、それはレッド・オーシャンに埋没する戦略と言わざるを得ない、ということになるわけです。

