3. コトラーが提唱するマーケティングの定石を知る

 コトラーはマーケティングの基本手順として、5つのステップを明示しました。①調査(Research)、②セグメンテーション(Segmentation)/ターゲティング(Targeting)/ポジショニング(Positioning)、③マーケティング・ミックス(Marketing Mix)、④実施(Implementation)、⑤管理(Control)がそれです(図表2)。これは、それぞれの頭文字をとって、「R→STP→MM→I→C」とも呼ばれます。

 まず最初のステップである調査は、文字通り市場調査のことを指します。とはいえ、ただ漫然に市場を調査するわけではありません。ここでの活動は、むしろ市場機会を探索する作業として捉えるべきです。

 市場機会の発見の仕方には色々な方法があります。中でも代表的なのは問題抽出法と呼ばれるものです。これは、市場にある不満や改良の余地を探ることで市場機会を探索する方法です。また、理想法という手法も有名です。こちらは市場における理想的な製品やサービスを考察し、現実とのギャップから機会を考察する手法です。さらに、商品連鎖法という手法もあります。これは、製品の入手から廃棄に至るまでの流れを把握して機会を探る手法です。これらを上手に活用して、市場調査から機会を探ることが重要になります。

 コトラーは前掲の「コトラーの戦略的マーケティング」の中で、「調査せずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場に参入しようとするようなものだ」と指摘しています。マーケティングの始めにまず調査あり、この点を理解すべきです。

 さて、マーケティング調査を実行すれば、共通の問題やニーズを抱えるグループが明らかになるでしょう。続いて、こうしたグループに的を絞り、彼らが自然と購入したくなるような製品やサービスを考案する活動が行われます。これが第②ステップにあたる「STP(セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング)」です。


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