4. 自分の強みを知る

 目標を効率的に達成するその第一のコツは、まず自分自身の強みを知るということだ。そもそも、何かを達成する場合、自分の弱みを活用してそれを成し遂げているわけではない。あくまでも、自分の強みを活かしているものだ。となると、自分の強みが何なのか、この点について知ることが、成果を上げるために極めて重要になる。

 ドラッカーは、自分の強みを知る具体的な手法として「フィードバック分析」の活用を勧めている。これは、何かを意思決定する際に、それに対して何を期待するのかを書き留めておく。そして、9ヶ月後や1年後に、期待と現実を比較検証し、そこから自分の強みを探り出す手法だ。

 フィードバック分析を実行すると、自分が行なった優れた仕事、一生懸命やらなかった仕事、お粗末な仕事が把握できる。そして、自分の強みや、強みを発揮する上で邪魔になるもの、あるいは自分の弱点、全くできないことなどが明らかになる。

 そして分析結果が出たら、明らかになった強みを目標達成にうまく活用するよう工夫する。さらに、強みをより強化すべく、新たな技能を修得したり、古い知識を刷新したりするよう努めるのだ。いわば、強みへの集中と強化を推進するわけだ。

 これに加えて、フィードバック分析に基づき、悪癖や人への接し方など、悪習慣を改善することも大切だ。たとえば、専門外の知識を軽視するなどは、その典型だ。それからもうひとつ、極力苦手な分野の仕事はしないことも重要だ。強みを知るということは、ある意味で弱みを把握することでもある。できるだけ、自分の弱点に関連する仕事は排除する。いわば、無駄の排除により強みへの集中を実践するわけだ。

 また、共に働く人の強みについても理解することも重要だ。その上で、自分は彼らに何ができるのか、彼らからどのような貢献が得られるのか、これらについて考えるのである。中でも、上司の強みを活かすことが、自分自身の成果を上げるための大きな鍵になると心得たい。

 ドラッカーは言う。「上司とは、肩書きを越える存在である。(中略)その上司を観察し、仕事の仕方を理解し、上司が成果を上げられるようにすることは、部下たるものの責務である*3」。上司の成果が高まれば、それに貢献する部下の成果も高まるだろう。つまり、上司が成果を上げることで、自分自身の成果も上がるわけだ。これは成果を上げる鍵として忘れないでおきたい。


123-3_textmediumright_textmedium

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2009