となると、貴重な資源である時間をどのように使っているか、この点を明らかにして適切に管理することが欠かせない。この点に対してドラッカーは、①分析、②管理、③まとめる、という3ステップの時間管理法を提唱する。
まず、①分析では、自分の時間がいかに使われているかを検証する。そのために、時間がどのように使われているか記録することが、ここで行なう最初の活動になる。具体的には、2~3週間程度を目処に、自分の行動を記録する。その際、自分で記録しても、他人に記録してもらっても構わない。ただし、必ずリアルタイムで記録することを大原則にする。つまり、記憶に頼る記録は避けるのがポイントだ。
時間の使われ方を記録したら、その中から次に掲げる3つの仕事を特定する。まず、時間を浪費する仕事の特定だ。その代表は、無駄な会議や打ち合わせだろう。これらについては削除を前提に取り組む。次に、自分がやらなくてもよい仕事、すなわち他の人でもできる仕事を特定し、別の適切な人物に移譲する。そして最後は、他人の時間を浪費させている仕事の特定し、排除するよう努める。
このように、①時間を浪費する仕事は削除、②他の人でもできる仕事は移譲、③浪費させている他人の時間は排除、という3つの視点で、不必要な仕事を特定し、分類管理する。これが第②ステップの管理だ。
以上の活動で、非生産的活動に使われていた時間が、自ずと余ってくる。ちなみに、小さな成果を上げる場合でも、それを達成するにはまとまった時間が必要だ。細切れの時間を使って仕事をしても、よい成果は得られない。成果を上げようとするならば、時間をひとまとめにし、集中して仕事をすることが不可欠だ。したがって、最後のステップである③まとめるでは、自由になった時間をひとまとめにして、生産的活動に割り振る。
以上、①分析、②管理、③まとめるの順で、細切れだった時間をひとまとめにする。目標を効率的に達成するために欠かせない活動だと心得たい。