2015年3月10日
【プロローグより】
明治に活躍した企業人をルーツにもつ美術館で現代に残るものがある一方で、設立を夢見ながら果たせなかった美術館がある。しかも本来は美術館に収まるべきだった蒐集品はやがて散逸して跡形もなくなってしまう──。
本書ではこのような美術館を「幻の美術館」と呼びたい。
そしてこの世に存在あるいは存続できなかった美術館についてその事績をたどり、美術館が実現していた場合の姿をわずかながらでも伝えることを目的にした。
【目次】
第1章 大茶人益田孝と小田原掃雲台「鈍翁美術館」
第2章 生糸王原富太郎と横浜三之谷「三溪美術館」
第3章 造船王川崎正蔵と神戸布引「川崎美術館」
第4章 勝負師松方幸次郎と東京麻布「共楽美術館」
第5章 美術商林忠正と東京銀座「近代西洋美術館」
【書評】