
2011年6月30日
【はじめにより】
皆さん、ご機嫌よう。わたくし、経営学者ジョージ・P・リンストンがまたここに帰ってきた。
えっ、今度は何をしに来たんだ、だって。ほかでもない、本日は経営学者マイケル・ポーター教授の競争戦略論について、皆さんと一緒に考えるためにここにやって来たんだ。
ポーターは、1980年に発表した著作『競争の戦略』で一躍有名になり、同書はいまでも「戦略論のバイブル」と考えられている。経営戦略に携わる人、興味をもつ人、あるいは経営学を学ぶ学生には必読の書となっているね。
また、ポーターは、それ以降も『競争優位の戦略』や『国の競争優位』『日本の競争戦略』など、重要な著作を発表している。本書ではこうしたポーターの膨大な著作の中から、特に重要なコンセプトを取り出し、それをわかりやすく解説することを目指した。
まず、本書全体をとおした最重要コンセプトが「戦略的ポジショニング」だ。これに加えて、①三つの基本戦略、②ファイブ・フォース、③バリュー・チェーン、④戦略的フィット、⑤ダイヤモンド・フレームワークが続く。
これらのキー・コンセプトを理解すれば、おそらくポーターの競争戦略論の基本について語れるようになるだろう。
そこで本書では、戦略的ポジショニングは全体に関わるという考えから、上記のキー・コンセプト①〜⑤に従って全5パート立てにした。
【目次】
PART1 「競争の戦略」の基本を知る
PART2 ファイブ・フォースを使いこなす
PART3 バリュー・チェーンを分析する
PART4 競争戦略論の本質を熟知する
PART5 日本企業の競争戦略