2013年6月30日
【本書の概要】
グローブトロッターとは19世紀半ばに登場した世界を股にかけて旅行する人々を指した言葉です。一般に「世界漫遊家」と訳されています。
本書では、明治時代のニッポンに訪れたグローブトロッターに焦点を合わせて、彼らが何を見てどのような旅をしたのかを明らかにしました。
当時のグローブトロッターの生態のみならず、彼らが見た明治ニッポンがいかなるものだったのかを理解してもらえると思います。
グローブトロッターを対象にした書籍は横浜開港資料館編『世界漫遊家たちのニッポン』が唯一存在します。が、こちらは展示会のカタログなので、おそらく本書がグローブトロッターを扱った本邦初の単行本だと思います。
【目次】
Prologue 80日間世界一周の時代
Chapter1 グローブトロッターがニッポンの土を踏む
Chapter2 ツアーに参加するか、紹介状を握るか
Chapter3 ボヘミアン・グローブトロッターの金満旅行
Chapter4 東海道で行く人、中山道で来る人
Chapter5 ガイドブックを片手にバックパッカーが行く
Chapter6 冒険家が歩いた日本の奥地
Chapter7 世界一周スピード競争に血眼になる
Chapter8 「ハソネの法則」で見るノーベル賞作家の旅
Chapter9 夫婦で行く憧れのファー・イースト
Chapter10 明確な目的をもつ旅人たち
Epilogue グローブトロッターを超えて
【書評】
19世紀末の欧米にグローブトロッター(世界漫遊家)と呼ばれる人々が出現する。交通機関の進展と低廉化にともない、旅が消費の一形態として、貴族だけでなく、多くの民間人に開放されたのだ。 続きを読む