2011年9月30日
【はじめにより】
皆さんご機嫌よう。私ことジョージ・P・リンストンが再びここに戻ってきた。
本日は私が長年研究してきた中国の古典『孫子』について、皆さんに図解講義を繰り広げたいと思う。
『孫子』は戦(いくさ)の仕方、いわゆる「兵法」について述べたもので、いまから約2500年も前に成立したといわれる。でも驚くべきことに、それほど昔に成立しているにもかかわらず、孫子の兵法には現代ビジネス理論との共通点が多数見出せる。
それはあたかも、現代の経営学者が孫子を参考に自らのビジネス理論を打ち立てたかのようにさえ見えるほどだ。したがって、孫子の兵法について知ることは、現代の経営について知ることであり、孫子の兵法を学ぶことは、成果のあがるビジネスの実現に通じる。
このような視点から本書では、『孫子』を現代の経営の指南書ととらえ、2500年の叡智のなかから、ビジネスに成功する鍵を見つけ出すことを目的にした。
よって、書き下し文は孫子の原典に忠実を旨にしたけれど、現代語訳については、現代経営理論からの立場を優先して解釈した。いわば本書は「現代ビジネス語訳の孫子」だと考えてもらえればよい。
では、孫子の兵法に、いざ分け入らん!
【目次】
PART1 孫子流・戦略の練り方
PART2 負けない態勢を整える
PART3 孫子流リーダーシップ論
PART4 情報活動で市場を分析する
PART5 市場攻略の戦術を練る