1945年、米ルーズベルト大統領の科学顧問をしていたヴァネヴァー・ヴッシュが、「As We May Think(考えるがままに)」というタイトルの論文を発表しました。この論文の中でヴッシュは「人類の膨大な知識を利用するためのプロジェクト」を提唱しました。そして、「MEMEX(メメックス)」という名の装置の開発を提案しています。
実はこのMEMEXこそが、私たちが日常的に利用しているパーソナル・コンピュータの基本コンセプトを、世界で最初に提示したものだと言われています。
一方、つい先頃、ヴッシュの論文「As We May Think」が掲載された、1945年9月10日号の「LIFE」誌を入手しました。ところが、この雑誌で思いも寄らぬ記事に遭遇しました。
「U.S. OCCUPIES JAPAN(合衆国、日本を占拠す)」という見出しの記事がそれです。この中で、日本に上陸するマッカーサーや焼き尽くされた東京の様子などが全14ページで、多数の写真とともに紹介されています。
しかも注目すべきは、同誌の発行日です。9月10日号ですから、少なくとも1週間から10日前には原稿が入稿されているはずです。さらに、日本〜アメリカ間からの原稿や写真の輸送についても考慮しなければなりません。まさに最新のニュースとして報じられた記事だと言えると思います。
ただ、奇妙なのは、雑誌全体のトーンです。というのも、表紙をめくると、表2にはカラーでギフト用のスプーンの広告、1ページ目には何と「フケとかゆみ予防にリステリン」の広告が掲載されています。他のページにも所狭しと広告が並んでいて、私には、雑誌全体が言外で「戦争って、どこの国の話し?」と言っているかのうに思えました。
アメリカにとって対日の戦争とは、一体何だったのでしょうねぇ。
