今年の夏に出版した『今日から即使えるビジネス発想術50』(朝日新聞社)を執筆している際に、ある本と偶然にも出会うことができました。西尾忠久さん編著の『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(美術出版社、1963年)です。
アメリカの広告会社ドイル・デーン・バーンバック(DDB)が制作したフォルクスワーゲン社の広告キャンペーンを一堂に集めたものです。大半はフォルクスワーゲンType-Ⅰ、通称ビートル(カブト虫)の広告で占められています。ビートルファンならば、一度は手にしたいに違いない本です。
この本がなぜビジネス発想術と関係あるかというと、DDBによる広告が、大きくしたり小さくしたり、吊り上げたり逆さまにしたり、分解したり裸にしたりと、とにかく様々な手法を用いて、ビートルというたったひとつの素材から新しい発見を生み出しており、この多様な視点がアイデア発想に役立つからです。
私は、この本の姉妹本で同じ著者による『企画のお手本−−−VWビートルによる発想トレーニング副読本』(KKロングセラーズ、1986年)は所有していました。しかし、書籍執筆の関係もあって、『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』の方もどうしても手に入れたい。ところが、アマゾンや日本の古本屋を検索しても全くヒットしません(『企画のお手本』も同様)。
半ばあきらめていた時、ふと思いついたのが元龍谷大学教授のO先生のことです。O先生とは4年ほど前から親しくさせてもらっており、大の自動車好きということを知っていました。
まさかお持ちではないだろうと考えつつ、ある日お会いした際に「かくかくしかじかの本、蔵書にありませんか」と尋ねたところ、「一度探してみる」との返事。そして翌日返ってきた答えが「ありました」です。
いや〜、この時は本当に魂消ました。
しかも、事務所までご持参いただき、さらには当方にくださるとのこと。そればっかりは、とお断りしたのですが、現在は当方の事務所の書棚に収まっています。奇縁といいますか、こんな本との出会いもあるというわけです。
追記
ちなみに、ビジネス発想術を担当くださった朝日新聞社のTさんにこの話をしたら、ヤフオクで同書を発見したとのメール。当方も確認してみると1万5千円(だったかな)の値がついてました。後日、O先生には、報告がてらビールを振る舞った次第です。
