2007-10-24
ビートルの広告とオズボーンのチェックリスト法の関係

 前回、偶然にも西尾忠久氏の著書『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(美術出版社、1963年)を手に入れた件について書きましたが、今回は同著者による姉妹書『企画のお手本−−−VWビートルによる発想トレーニング副読本』(KKロングセラーズ、1986年)について、若干コメントを。

 前回も書いたように、こちらの本もなかなか入手できません。と書いたあとでAmazonをのぞいたら、あらあらマーケットプレイスに一冊出てます。1万5千円ですねぇぇぇ。「日本の古本屋」はヒットなしです。

 で、こちらの本も『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』と同様、広告会社ドイル・デーン・バーンバック(DDB)が制作した広告を一堂に紹介したものです。ただ、この本が前著と異なるのは、掲載しているのがビートルの広告のみということ、それに掲載してある広告からアイデア発想に結びつけるという目的が明確だという点です。

 話は飛びますが、その筋の人ならば「オズボーンのチェックリスト法」というアイデア発想法をご存じだと思います。これは、米国の広告会社バッテン・バートン・ダースティン・アンド・オズボーン(BBDO)の元社長で、あのブレーンストーミングを考案したアレックス・オズボーンが提唱した、アイデア発想のためのチェックリストです。リストは全部で9項目です。

1.ほかに転用してみたら?
2.手本にできるものを探してみたら?
3.ひとひねり変化させてみたら?
4.拡大したら?
5.縮小したら?
6.置き換えたら?
7.順番や配置を入れ替えたら?
8.逆さまにしたら?
9.結合したら?

 この9つのチェックリストを通して、現在の問題や課題について考えます。そして、斬新なアイデアを得ようとするのがオズボーンのチェックリスト法です。

 さらに現在では、ボブ・イーバルという人物が、チェック項目を7つに圧縮し、それぞれの項目の頭文字をとったSCAMPERという名称が使われているようになっています(Substitute-入れ替える、Combine-結合する、Adapt-応用する、Modify-修正する、Put to other uses-使い道を変える、Eliminate-取り除く、Rearrange/Reverse-並べ替えたら/逆にしたら)。

 とはいえ、チェックリストだけでなく、具体的な例を示してもらわないと、いまいち発想がわきませんよね。そこで登場するのが、ビートルの広告です。ビートルという見慣れた自動車を拡大したら縮小したら逆さまにしたら・・・。こうした広告が『企画のお手本』には満載されていて、大変刺激的です。
 
 また、オズボーンのチェックリスト法は9項目ですが、『企画のお手本』を見ていると、それ以外の項目も満載されていて、これがまたアイデア発想に役立つというわけです。

 しかし、1万5千円じゃ、見たくてもなかなか手が出ないですよね。この本って。

追記
 オズボーンによるブレーンストーミングおよびチェックリスト法については、アレックス・オスボーン『創造力を生かせ』(創元社、1969年)に詳しく書かれています(表紙はこちら)。この本、名著です。創造力開発に興味のある方は、ぜひ一読をおすすめします。なお、一般的にオズボーンと呼ぶようですが、本の著者名は「オスボーン」となっているので、検索時には要注意です。

 なお、宣伝臭くなりますが、アイデア発想については拙著『今日から即使えるビジネス発想術50』(朝日新聞社、2007年)を、ぜひ一度ご覧ください。オズボーンの話、ビートルの話を始め、アイデア発想に関するテクニックやトピックスを満載しています。

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2009