2007-11-23
3次元マトリックスでWeb2.0を考える

 前回は、「現実と仮想」「オンラインとオフライン」という2軸でマトリックスを作り、現実と仮想の使い分けについて考えてみました。このマトリックスに、第3の軸として「影響と受容」を追加して3次元にすると、Web2.0の意味が見えてきます。

 影響と受容とは、利用者側の態度を示す軸で、ネットを通して他人に対する影響度を高めることを重視するのか、それともネットからの情報を受容することに重みを置くのか、という基準です。

 では、この3つの軸で3次元マトリックスを作ってみましょう(図1)。8つのキューブが出来上がりました。インターネットはオンライでの営みですから、関連するキューブはそのうち4つです。すなわち、オンライン側にある「現実×影響」「現実×受容」「仮想×影響」「仮想×受容」です(図参照)。

 たとえば、セカンドライフは、仮想空間で自分の分身が能動的に活動します。また、参加者が独自に空間を創り上げるという特徴を持ちます。これは明らかにオンライン側の「仮想×影響」の世界に分類できます。一方、1-8節でふれたソーシャル・ニュースでは、現実に起こっているニュースに対して、さまざまなユーザーがコメントを寄せます。これは、オンライン側の「現実×影響」に区分される行為と言えるでしょう。つまり、オンライン側の「現実×影響」「仮想×影響」で繰り広げられているのが、UGMでありソーシャル・メディアだと位置付けられます。

 他方で、従来型の企業Webページは、基本的に利用者が一方的に情報を受け取ります。これは明らかに「現実×受容」の世界です。また、他のユーザーと特に情報を共有しないオンラインゲームなどは、一見能動的のようですが「仮想×受容」に分類できるでしょう。

 このような分類の結果見えてくるのは、オンラインの世界で繰り広げられている、現実か仮想かは問わない、ネット上の他のメンバーに対して何らかの影響を与える行為、またはそれを支えるメディア、それがWeb2.0の最大の特徴と言えるのではないでしょうか。

 なお、本稿の詳細については、拙著「最新インターネットのカラクリがよくわかる本」(秀和システム)を参照していただければ幸いです。

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2008