2008-2-15
少々気になる亀趺

亀趺って、ご存知ですか? たぶん、読み方も分からん、とおっしゃる方も多いのではないでしょうか。お恥ずかしながら、そういう私も辞書で調べました。

これ「きふ」と読みます。石碑の台石の一種で、亀を模しているのが特徴です。ちなみに、「趺」は訓読みで「あなひら」となり、足の甲を意味します。私はIMにATOKを使っていますが「きふ」も「あなひら」も適切に漢字変換されません。

それはともかく、私がこの亀趺に興味を持ったのは、2006年11月、取材帰りに立ち寄った佐賀県・佐賀城跡の万部島というところにあった「佐賀の役記念碑」を見てからです(写真1,2,3)。江藤新平を首領とした不平士族が明治7年に起こした佐賀の乱は、明治新政府によって鎮圧されます。その際の反乱軍側戦没者のために、大正9年7月に建てられたものです。石碑の台石になっているのが亀趺です。

その後、2007年の9月には、会津若松市で大量の亀趺に遭遇します。会津藩主松平家墓所にてです。山の麓に広がる広大な墓所は木々が鬱蒼としており、ここに歴代藩主の墓があるのですが、その墓石のいずれにも亀趺がどっしりと構えていました(写真4,5,6)。ここで日夜、長年の風雪に耐える亀趺は、いつか生命を得て動き出すのではないかと感じたものです。

それから最近では、今年の1月28日に、鳥取県鳥取市郊外にある鳥取藩主池田家墓地にて、これまた大量の亀趺を見ました(写真7,8)。雪が残る寒さの中、沈黙を守る亀趺に、やはり心惹かれたものです。

藤井直正・元大手前女子大学教授によると、亀趺の起源は中国で、すでに隋・唐の時代に流行したそうです。日本では、江戸時代になってさかん亀趺が造られるようになりましたが、藤井先生によると「近世における中国文物への憧憬」ではなかったかと、語られています。

これからも、亀趺を見つけたら、写真に収めていきたいと思っています。

なお、藤井先生の論文は、http://ci.nii.ac.jp/naid/110000046523/にて参照できます。

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2009